もじばやしの日常観察

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#2 人生は群像劇。

つい先日、後輩から「はてなブログ読んでますよ」という言葉をいただきました*1。嬉し恥ずかしという気持ちですね!

 

ということでお久しぶりです。もじばやしです。気づいたら1週間近く空いてしまいました。前回アップしたエッセイが(個人的には)結構いい感じだった説があって、自分の中の次回作へのハードルが上がってしまいました。とはいえ、長く更新し続けるための秘訣は、「いったん自分の中でのハードルを下げること」だと思っているので、頑張りすぎない・日常っぽいエッセイを更新しようと思います。

なので、今日はさっき読み終わった本から感じたことのお話です。

 

 

本読みの遍歴

最近はすごく本を読むようになりました。

小学生のころまで遡ると、その頃はあまり本を読むタイプではなくて。本を読んでいると親が喜ぶから、親の機嫌を取りたい時に本を読む。みたいな感じ。実はこれ、あまり過言では無くて、少なくとも自発的に本を読むようなタイプではありませんでした。

ただ、今から振り返ると「面白いと感じる本が身の回りになかったから」なのかなぁ、という気もしたり。小学生の時分は感情の経験値も引き出しも少ないので、共感が働かないんだ、っていえば仕方ないことのようにも聞こえますが、でも小学生にも本好きっているよなぁ。彼らは何がきっかけなんだろう。

 

ちなみに私が小学生の時に一番読んでいた本は、時刻表でした。そう、1000ページくらいあるアレ。時刻表の第一義的な性格は「情報」にあるので、普通の人は恐らく「時刻表で”調べる”」以外に使わないんですよね。そんな時刻表を「読む」タイプの子供だったわけなんですが、自分が親なら止める気がするんですよね。変だよ、って。両親は何で止めなかったんだ…*2

とはいえ、最近は趣味として認知され出してる節があるので、どうやら私は時代を先読みしていたようですね。うむうむ。すごい*3

www.itmedia.co.jp

 

そして、中学生になっても大差なかった私ですが、ある転機が訪れました。

中3でライトノベルにドハマり。本当にドハマりして、年間100冊弱は読んでました。あの時が間違いなく一番読書してた。修学旅行*4の自由時間の時、駅のホームにあった書店で新作を買うくらいにはハマってました。おじいちゃんからもらった図書カードを全部ラノベにつぎ込むくらいにもハマってました。

ちなみに、これ完全に本筋に関係ないんですけど、大和八木駅のホームに本屋さんがあったんですよ。どうやら数年前に閉店してしまったようです。思い出の地がまた一つ、知らない間に消えていたって思うと、なんか寂しいですね。

ameblo.jp

www.nara-np.co.jp

 

そうして大学生になったのですが、この頃にはラノベ趣味から抜け出てしまい、常に読んでいるジャンルの本、みたいなポジションが無くなっちゃいました。

でもでも。ここで新しく出てきた趣味がありまして。「BOOKOFFで好き勝手本を買う」という趣味なんですけど。これ、冊数の割にお金が飛びすぎなくて楽しいんですよ。ストレス解消術的にやることもあります*5。おかげで我が家は京都に来た時より本棚が3つ増えました。どうすんねんこの冊数。

 

古本は出会い

そんなこんな、京都には古本市という良き文化がありまして。糺の森みやこめっせで行われているん*6ですが、そんな折に出合った本がありました*7。 

bookmeter.com

 

こちら、『阪堺電車177号の追憶』という作品です。 ご存じの通り私は鉄道が結構好きなので、正直タイトルだけで手に取りました。表紙もどことなくモダンを感じる絵柄。作者の方は存じ上げなかったのですが、これだけ電車を押し出してくる小説は西村京太郎以外あまり見当たらない気がしたので、買いました。

 

以降、一応物語のネタバレは避ける感じで書きますが、物語の構成に関わる部分の話になるので、気にする人はブラウザバック。あ、その前に高評価とチャンネル登録はよろしくお願いしたいですね*8

 

実はタイトルになっている「阪堺電車177号」というのは電車の形式名*9でして、この車両が85年間も使われてきた(という設定*10)ので、この車両が見てきた景色ややり取りから、一部を抜き書きつつ連作短篇に仕上げるというものでした。

この「"連作"短篇」というのが少し肝で、(あるあるな気もしますが)時系列が離れつつも登場人物間に所縁や血縁があるという設定。一時流行った有川浩さんの『阪急電車』に近い感もしますが*11、あれは同時代的だけどこちらは「177号という空間を中心にした時間を超える1作品」に纏まっている、という違いがある、のかも。

最後の全力伏線回収がかなり明示的に行われる点は少し笑ってしまいましたが、ワクワクしたりドキドキしたりするお話たちでした。いいね。

 

Life is…?

さて、私こういう「少しずつ絡み合う日常」を切り取る作品が大好きなんです。こうした作品ではこの絡み合いがさりげなく(それでいて丁寧に、かつきちんと)提示される訳ですが、読み進めていくうちに物語の糸が束に縒り合わせる感覚、これが得も言われぬ快感というか、没入感を増大させているというか、ともかく好き。群像劇みたいなやつ*12。誰が主人公というほどでは無いけど、誰も彼も「必要なパーツ」としての人である、という存在。いいじゃないですか。

そうして必ず思うのが、「そういう世界に生きたい」という気持ち。大きな山や谷が無くたって、日常のきらめきに目を向けて、丁寧に掬い取る。そうした人生でありたいなぁ、と思って、空想の自分を思い描いたりするわけです。

 

でも少し考えてみると、 大きな山や谷を求めていないからこそ*13、自分の心がけ次第で人生の彩はいくらでも増やせるんだよなぁ、という気もしました。何が無くても目を向けるような大きな出来事より、身の回りの些細なことに気付けた方が何かと幸せ、ってよく言うじゃないですか、たぶん。私って、恐らくそういう生き方に憧れているんですね。

 

この歳になると*14、「この世界での自分の立ち位置」がだんだん見えてくる頃合なんだろうと思います。私は恐らくどでかい花火を打ち上げるタイプではないけど、控えめに縮こまる気もない。ちょっと主役を張るときもあれば、名脇役で支えることも、通りすがりの見知らぬ人になることも、ある。そんな群像劇団の一味として生きるのが、悪く言えばお似合い、よく言えば「私にしか出せない味*15」なのかな、とか。 

"Life is like a voyage."とか、"Life is beautiful."とか、そういうセリフ、よく聞きますよね。人間、何かに託けて人生論を語ろうとするわけですが、敢えてその言葉を本歌取りするならば、「人生は群像劇」って思いながら生きたい、と感じる土曜の午後でした。

 

よし、タイトル回収が終わったのでここまでにします!今日も頑張った、えらい。すごくえらい。

ということで!また次回~。

 

 

 

*1:ひっそり読んでくれてる人、いたらぜひ声かけてください!励みになります。

*2:ちなみに私は時刻表の読み過ぎで目が悪くなりました。なんちゅー自業自得。

*3:ほんまかそれ。

*4:ちなみにウチの学校、中高一貫だったのですが、中3は「研究旅行」、高2は「修学旅行」という謎の区別がありました。不思議。

*5:そういえば、卒論提出し終わった日の夜にBOOKOFF行った時は36冊買ってました。やば。

*6:コロナ禍のため暫く行われていない様子。京都を離れる前にもう一度行きたい…開催してほしい…。

*7:出合ったくせに積読を重ね、2年経ってやっと読んだのですが…趣味は積読

*8:YouTube定期。#もじばやしは早くラジオを上げろ

*9:細かいこと言うと形式名では無くて「編成番号」ってことになるんだと思いますが…まぁいいか、な。

*10:どうやら実際には176号までしか存在しないらしく、177号というのは架空の車両らしい。

*11:原作はもう13年前らしい。マジかよ。ちなみに映画化もされてる。

映画『阪急電車』~阪急電鉄 特設サイト~

*12:そういえば、群像劇といえばこんな漫画作品があります。幼少期に読んだので記憶が曖昧…また読みたいなぁ。本屋さんやメルカリで探してみようかな。

モーニング公式サイト - 『デラシネマ』作品情報

*13:たとえばハリポタみたいに魔法の世界観を求めてないんですよね。そういうの、ちょっと荷が重い。

*14:なんて言って、まだ24歳です。私は22世紀を見るまで死ぬつもりはないので、まだ人生1/4以下です。よしよし。

*15:トップを張り続けたい感性の人もいるし、一方私の感性は群像劇団が適所だったのかな、みたいな気持ち。